
当事業者は、「生産者に還元できる価値の創造」を理念に掲げ、北海道産の農作物を加工・販売する目的で、昨年創業いたしました。
その中でも特に「スキムミルク、ホエーの活用」に尽力したいと考えています。
2021年、生乳大量廃棄の危機。
酪農大国と呼ばれて名高い北海道の地。
そんな北海道で酪農家が大きく打撃を受けた時期がありました。それが2021年に起きた「生乳大量廃棄の危機」です。
コロナ禍で学校給食での需要が減り、「大規模な生乳の生産調整」が行われました。
生乳の生産調整とは、牛から絞る牛乳の供給量を需要に合わせて調整する取り組みのことです。
農作物・食品全体に言えることですが、需要を上回る供給量を保って置き、余ったら捨てるという考えが強く残っています。
そして2021年、余り過ぎてしまった生乳に対しては調整がかけられ、供給を量を増やさないために、これ以上絞らないようにとの通達が酪農家のもとに届き、絞ってもお金にならない、「捨てざるを得ない」生乳が多く発生してしまいました。
そもそも牛が育って牛乳が取れるまでに長い時間と労力が必要になります。「余っているので絞る量を減らしてほしい」と言われても、調整するのに数週間という単位ではとてもできることではありません。
この時、ある酪農家の方がSNSで「せっかく牛乳を搾らせてもらったのに、捨ててしまって、ごめんな」と投稿されていたのを覚えています。
命を扱う酪農家の仕事。そこには予断を許さない酪農家の方々の努力があります。365日、一番そばで牛たちを見守り育ててきた酪農家の方々に、生乳を捨てさせてしまった。なぜ、一番そばで見守ってきた方々が、このような思いをしなくてはいけないのか。
そう感じていたのに、何もできない自分。
見て見ぬふりしかできない自分しかいないことが悔しかった。
悔しいくせに、せっかく管理栄養士の資格ももってるくせに、他人事で済ませてしまった自分がいたこと。
それは今でも心の奥底で引っ掛かり続けていました。
現在も続く生乳の生産調整。だからこそスキムミルク、ホエーの活用にこだわりたい。
このとき余剰となった生乳の多くはバターやスキムミルクへと加工されました。
バターの需要は常に耐えることがなく、不足分を生産すれば一見生乳余剰問題は解決しそうですが、それができない理由があります。
バター生産時に副産物として発生する「脱脂粉乳(スキムミルク)の過剰在庫」が問題となります。
抱えきれなくなったスキムミルクの在庫の活用が進まないうちは、バターに加工するための生乳の生産を増やすことができないのです。
2025年現在、いまだに在庫は国内ではスキムミルクの過剰状態が続いています。
よって現在も、過剰在庫を防ぐための需給調整は続けられており、制度面での見直しも進められています。
Farmers confectにできること。それは「過剰在庫となっているスキムミルクの活用」を進めることと考えています。スキムミルクの過剰在庫に対する新規需要を生み出すことで、生産調整を受けにくい酪農家の収益基盤を作る。
また、酪農家の方々が自ら生乳を加工し、チーズなどの加工品を作る6次産業化の動きが広がっています。
Farmers confectはスキムミルクの活用に加えて、「チーズ加工の過程で副産物として大量に発生する”ホエー”(乳清)を活用すること」で酪農業に少しでも貢献することを目標としています。
スキムミルクやホエーといった”未活用資源”の活用を通して酪農家の経営基盤の安定につなげることが、当事業者の目標です。
今後の見通し
Farmers confectでは、現在スキムミルクを使用したプリン、ホエーを使用したドリンクを自社ECサイトにて販売しております。(トップページ>道産食材を使用した製品の製造>view more のリンクよりご覧いただけます。)
現在は菓子製造業、清涼飲料水製造業の許可を取得しております。
北海道の酪農業にかける思い
当事業者は現在、ちっぽけで、資本もない、北海道の小規模個人事業主でしかありません。
それでも、地元である北海道のために、管理栄養士として少しでもできることをしていたい。
私は北海道の乳製品が大好きで、幼いころからありとあらゆる北海道の乳製品に育てられてきたと思っています。だからこそ、少しでも地元から受けた恩を返したいと思っています。
現在はスタートラインに立つのがやっとの状態ですが、進んだ先で見える景色が北海道の酪農業、ひいては日本全体の食産業の繁栄につながるものになるのなら、一歩ずつでも進む価値があります。
産地にこだわり、消費者の皆様に選んでいただけるような喜ばれるものを作る。そして、地元である北海道に恩を返せるよう、日々挑戦を続けてまいります。
どうか日本の食産業の未来が明るいものであることを願って。
